2010年8月26日木曜日

大阪の生コンがとまった。 

大阪の生コン労働者が7月2日から生コンの単価引き上げを要求してストライキに入っている。生コンが止まることは建築の躯体工事ができず他の建築工事が止まることに等しい。ほんらいなら大阪府のほぼ全体で建築工事がとまっていることは大きな社会問題である。
 
 ところが面白いことに関西エリアのTVでは報道されているようだが、このことは全国ニュースには流されていない。なぜなら関西の生コン労働者の運動が全国に波及しないようにゼネコンやマスコミが握りつぶしているからた。かつてこの関西生コン労働者の運動については日経連会長の大槻文平が「資本主義の根幹にかかわる運動をしている」と「箱根の山を越えさせない」(全国にひろまらないように抑え込む)と必死になったことがあり、労働者の味方のはずの共産党の不破哲三も虎を踏むどころか「虎の背骨を踏んでいる」と運動の分裂にやっきになったことがある。
 
 それはともかく、この生コンのストライキは、現在の単価では中小企業である生コン業者もそこで働く労働者のやっていけないと 1立メートル単価18000円を要求して立ち上がったものである。建設業界の人ならばわかるが現状は10000円前後ととてもやっていけない単価に抑え込まれている。
 このストライキの結果、大阪の7~8割の建設業者はこの要求をのんで妥結したその現場には生コンが運ばれ工事は動いている。しかし、まだ妥結しない2.3のゼネコンの大きなプロジェクトなどに対しては生コンの出荷を停止し、もちろん現場は止まっている。
 
 なぜこのような大規模なストライキ=建設産業でいえはゼネストのようなことができるのかというと、簡単にいえば、原料であるセメントを製造するセメント大企業がカルテルを結び生コンにして販売運送する中小の生コン業者押さえてきた。一方ゼネコンは生コンの値段をたたき放題に叩き、そのためにはセメント会社と結託して別に生コン会社を作るなど業界を支配してきた。そこで生コンの労働者は労働組合をつくり、それだけでなく雇い主である生コン業者に協同組合をつくってセメント資本やゼネコンに対抗することを援助してきた。そして生コンの協同組合と生コンのいくつかの労働組合が「労働協約」を結んで業者の単価と労働者の労働条件を協力して守る体制と運動を築いてきたのだ。もちろんその道のりは厳しく資本の雇ったナラズモノに殺された労働組合の幹部もいるし、警察権力も「脅迫」「暴行」をでっちあげては労働組合を今現在も弾圧している。まさに「資本主義の根幹ににかかわる」という危機感からである。
 
 中小業者が経営が継続できる単価をもとめ、労働者が誇りある労働と生活ができる賃金条件を求めるのは当然である。そして「労働協約」が双方を守り大企業の横暴と闘うことに役立つことをこの関西生コンの運動が教えている。

関生hp  http://www.kannama.com/

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